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2010/02/15

「ゆれる」 西川美和著

4591104346 ゆれる (ポプラ文庫)
ポプラ社  2008-08

by G-Tools

映画を見たのは、2006年の夏でした。とてもするどく心に残る物語だったので、一体小説はどんなだろうかと…。評判が良いのは知っていましたが、なるほど!でした。

まず、この物語の主役である弟の猛の語りから始まって、智恵子、父親、叔父、兄の稔、そして従業員の洋平まで、事件に関わった人から見守る人達までが、みんな自分語りをしていくのですが、それぞれが抱えている寂しさや、大人になるまでのわだかまりも明らかになり、それ故に、登場人物がどんな人間なのか、どんな風に家族の間がこじれていったのかが浮き彫りになってくる…。皆の割り切れない本音が綴られる事と、物語の進行が同時に展開していくので、一つの事件が、取り囲む人達の目にどんな風に写り、どんな影響を及ぼしたかが、映画とは違った目線で見えてくる感じでした。

そしてそれぞれの人が、己の心と決着をつけるように吐露する正直な気持ちが、きっと家族の問題の解決に繋がっていくのだろうな、と思わせてくれる・・・傷つけると分かっていても避けられない根の深い問題を、あらためて文字で読むと、映画よりもくっきりとした部分もあって、著者の西川美和監督という人は、人の心の闇を描ける人なんだなぁ・・・と思いました。

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コメント

映画DVDを借りてみました。各登場人物の描写や演技がすばらしい映画でした。今度原作も是非読んでみます。

bookメロディさん、こんばんは!
たしか小説は映画の後から出来たって聞いたことあります。
風船が割れるように感情が一気に吹き出ちゃったお兄さんと、
疑心暗鬼になっていく弟…役者達さん、良かったですよねー。

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