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2009/08/03

『ディア・ドクター』

昨日、渋谷で見てきました。『ディア・ドクター
'74年生まれの西川美和さん、原作・脚本・監督の映画です。この映画の原案小説「きのうの神様」が直木賞の候補に選ばれて、小説家としても話題になったのはつい最近ですね。

4591109232 きのうの神さま
ポプラ社 2009-04

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良い映画でした。ジワジワと来ます。山あいの小さな村のお医者さん。皆に慕われて、明日も変わらぬ笑顔で、昨日と同じように親身に診療してくれるはずだったのに…。

主役の鶴瓶さんも良いけれど、看護師の余貴美子さんと薬屋さんの営業の香川照之さんが、訳知りでありながら、重たい荷物をほんの少しだけ持ってくれているような優しさがいいですね。それも罪なのかもしれないけれど…。それと、香川照之扮する薬屋さんと、松重豊扮する刑事さんとのやり取りは、言葉では伝わりきらない人間の本質というか、とにかくハッと思わせるシーンでした。

以下多少ネタバレあります。

今日、白でも明日は黒かもしれない。今、それを罪だと思っても、明日はその優しさに感謝するかもしれない。普通に生きていても、知らずにはまってしまう迷路もあるだろうし、その迷路の中で出会った人達の暖かさに、救われて、迷路もまた楽しいと思えるかもしれない。

何が正しくて、何が間違っているか、なんて誰も決められないし、自分にも分からないのだと思う。人は皆、お互いの罪を一緒に担ぎながら、許し合って、寄り添って生きているんだなぁ・・・なんていう事を、思わせてくれる映画でした。

鶴瓶さんが、白衣を脱いで八千草薫さんに振る所があるのだけれど、緑の畑の向こうで振られている真っ白な「ニセ医者の着ていた」白衣がきれいでした。あたかも白旗を振っているようで、しかも鶴瓶さんの表情がよく見えないから、余計にちょっとせつなくなるシーンでした。

1作目の「蛇イチゴ」、2作目の「ゆれる」、そして3作目の「ディア・ドクター」。どれもすっごい映画です。

B0001LNNHK

蛇イチゴ [DVD]
西川美和
バンダイビジュアル 2004-04-23

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B000KIX658 ゆれる [DVD]
西川美和
バンダイビジュアル 2007-02-23

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» DVD:「ディア・ドクター」に続き、西川美和監督作品「ゆれる」に今更ながら、衝撃! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
それは女性監督ならではの細やかさで成功しているように思えた、西川美和の最新作「ディア・ドクター」 これがかなり自分的に刺さったので、前作で評価の高い「ゆれる」を鑑賞。 最新作で感じた、 <日本映画でついぞ感じたことのない、味わい深い感動とともに、映画が終了。 <「本物」「うそ」の意味の間をぐるぐるまわっている自分がいた。 この作品もこの感覚に満ちていた。 「真実」「うそ」、そして今回はさらに「記憶」というやっかいな人間の性(サガ) 「記憶」とは困ったことに、本人の思考・感情が無意識にかけるバ... [続きを読む]

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