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2009/04/19

『しずかの朝』小澤征良著

4103065524 しずかの朝
小澤 征良
新潮社 2008-11

by G-Tools

25歳、独身のしずかは、勤め先の会社が倒産。次の職もなく、母に強くすすめられてお見合い。仕方なく出かけたけれど、彼女の人生の歯車が思いがけず動き出し・・・。家を出て横浜のロシアンハウスに住むことになる・・・、そして。

先日「徹子の部屋」に出演した時に、大好きだった亡きお祖母様の入江麻木さんに捧げたいと思い、この物語を書いたという事を話していらっしゃいましたが、読んでみると、その昔に読んだ『バーブシカの宝石』と様々なシーンが重なりました。入江麻木さんは、ロシアの亡命貴族に嫁いだ方なのですが、国際結婚なんて想像もできないような時代、大変な事がいっぱいあったのでしょうね。

でもこの小説の中のターニャは、凛としていて筋が通っていて、シャキッとしている。多くの苦労をして生きてきたかもしれないけれど、彼女の心の中には、素敵で幸せな記憶があり、どうやらそれらが彼女を輝かせている。その輝きは今日、明日、未来へと続いていく。そしてまた新しい幸福が積み重なっていって、そういう人を見ているだけで、自分も何か希望を感じる事ができるような気がしてくる。一生懸命生きていると、想い出が今の自分にプレゼントを贈ってくれるのかもしれません。

ちょっとばかり、今風の言葉の言い回しに、せっかくの美しい文章があれれ?な所もありましたけれど、人は、何か目に見えないものに背中を押されて、知らないうちに自分が歩くべき道を歩いてる…というような事があるんじゃないかなぁ、と思わせてくれる小説でした。

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