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2007/11/23

クリスチャン・ツィメルマン&ギドン・クレーメル(2)

11月19日(月) 東京オペラシティ
ギドン・クレーメル / ヴァイオリン 
クリスチャン・ツィメルマン(ツィマーマン) / ピアノ
♪プログラム
S07111907ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番
フランク:ヴァイオリン・ソナタ
【アンコール】
カンチェリ:ラグ・ギドン・タイム

演奏会を聞いてからもう数日たってしまいましたが、いつまでもヴァイオリンとピアノの音色が聞こえてきます。細胞に浸透しているような感じです。

この日、時間になって扉が開き、ステージにクレーメルさんが現れてから、なかなかツィメルマン様の姿が現れませんでした。・・・もうその時は、まさか今夜はキャンセル?「皆様、今夜はクリスチャンの体調がすぐれないので、僕が一人で弾きます」と今にもクレーメルさんがしゃべったらどうしよう???でもピアノ置いてあるし、いや、ピアノだけでもと思って置いてたらどうしよう?と、後で思い返して自分で笑ってしまう位、わずか数秒の間に頭の中に様々な思いがグルグルと浮かんでは消え、心臓がバクバクして冷や汗が出てしまいました。実際は、ほんの数秒だったと思いますけれど。後からツィメ様が出てこられ、サントリーの時ほど足を引きずっていないようだったので、本当に胸をなで下ろしました。でも少々疲れているようにも見えました。移動の多いツァーで足が痛かったら、かなり疲れるでしょう。

ブラームスの2番は、お互いに語り合うように優しく豊かに穏やかで、オペラシティのホールが二人の奏でる音で徐々に満たされ、そして包まれていくようでした。
その次の3番は、とても力強く、サントリーで聞いたときよりももっとヴァイオリンとピアノ音色が、ホールの空気に編み込まれていくような感じ。でも時々ヴァイオリンのザラっとした音が気になりました。これはグァルネリ特有の音色なのかな。終わった後は、ちょっと疲れた感じだけれど、なんとも清々しい笑顔。3列目だったので、とても満足げな笑顔が目の前で、もうノックアウト。それにしてもやはりこういう曲は、エネルギーを放出しちゃうかも。

そう思うと、ソナタ「1番,2番,3番」と「2番,3番,フランク」というのは、後者の方がエネルギー放出量が大きいような?「1番,2番,フランク」という風には考えなかったのかな。

休憩中には譜めくりの方が調律を始めました。調律師=譜めくりっていうのは初めて見ました。この方きっとすごく信頼されてるんでしょうね。

後半のフランクは、かなりゆったり目のテンポで、ピアノの澄んだ音とヴァイオリンのざらつきが、ピアニッシモでは少々気になりました。でもこれがクレーメルさんのヴァイオリンの音色なのかも。1楽章の中盤あたり、ツィメ様は譜面を凝視して追っている感じがして、そこがまたピアノだけの所だったので、あれ?という感じ。
2,3,4楽章と進み、音楽の高揚と共に、緊張感のある音がどんどん重なってぎゅぅっと圧縮されては解き放たれ、ホールのすべてがフランクの世界にがんじがらめ。言葉にすると陳腐だけれど、とにかく、クリアなピアノの音が次から次へと降り注いでくるし、一方でクレーメルさんは弓の毛がどんどん切れ、それをちぎって捨てるので、足下にいっぱいたまってました。フランクはこのソナタを60歳過ぎて完成させたとの事、人生の重みからほとばしる情熱とでも言うのでしょうか、すごいと感じます。二人の巨匠の生み出した音楽はきっとフランクも喜んでいるでしょう。

アンコールは、初めて聞く曲、なんだか音が飛び飛びで、すごく楽しそうにおもしろがって弾いてました。

音楽は神様の贈り物、と小澤征爾さんがよくおっしゃっているけれど、本当にそうだと思う。言語抜きに、「何か」が伝わるのだ。音楽を通して、また音楽そのもので。
今回の演奏は、たしかにミスタッチも多かったし、弾きたい方向に身体がついていかないような、もどかしさを感じた所もあったけれど、そういう状態をはるかに越えて、クレーメルさんとともに高みにいるような音楽だった。
怪我をおして来日してくれたツィメルマン様に心から感謝。

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コメント

ご無沙汰でした。
クラシックの世界はよく解りませんが、
Yoshimiさんのコメントを読むと、どこか違う感性の
素晴らしさと表現力の豊かさに、ビックリしますね。
観客の幸せ感が溢れているコメントでした。

♪やまけんさん、こんばんは!
素敵なコメントありがとうございます。クラシックにしても、ポップスにしても、
言葉でしゃべる以上に、想いが伝わる事ってありますよね。
そういう時は、ホール全体がみんな幸せ気分になって、知らない人とも
友達になれるような気がしませんか?

最近 クラシックの演奏会から遠ざかってる感じです
この前 「のだめ」の新刊を読んで
行きた~~い!って思いました

家で ゆっくり音楽を聴く時間も持ててないかも(泣)

♪ぽむさん、こんばんは!
なかなか家ではゆっくりと音楽聞けないですよね。私もだいたいがながら族で、パソコンに向かいながら、なんとなくCD聞いてるっていう事が多いです。電車の中でi-podも聞くけれど、集中しては聞けないですよね。やっぱりホールに足を運んだ時が、一番没頭できるかな。

オペラシティのあの天井の高い空間に、クレーメルとツィメルマンの音楽が満ちる…どんなに素晴らしいだろうなぁって思います。オペラシティでフランクってぴったりな気がするんですよね。

それにしても、クレーメルさんだけ登場、ドキドキでしたね。クレーメルだったら、無伴奏でも2時間ぐらいもたせることは可能でしょうけれど。。。

♪青猫さん、こんばんは!あんな風に優しく寄り添うように、弾いている様子に、本当に心が暖かくなりました。ヒタヒタと音楽が満たされていく感じ、今でも身体に残っています。きっと青猫さんも、細胞に何か残っているでしょ?
そうそう、登場に時に、ツィメ様なかなか出てこなくて、もう本当に心臓がドキドキして、楽屋に迎えに行きたいくらいでした。(笑)だからツィメ様がすすっと「あ、ちょっと遅れちゃったかな?」みたいな感じの割には、すまして出てきた時は、もうそれだけに拍手しちゃいましたよ。

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