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2007/10/29

音楽劇『三文オペラ』

原作:ベルトルト・ブレヒト
演出:白井 晃
音楽:クルト・ヴァイル 音楽監督:三宅純
出演:吉田栄作、篠原ともえ、大谷亮介、銀粉蝶、佐藤正宏、猫背椿、 ROLLY他
於:世田谷パブリックシアター

先週、24日に見てきました。まず会場に入ってびっくり。3階建てのセットが組んであり、かなりの高さ。もしかしたら2階席の方が見やすかったかも。始まってみると、セットの中程にある電光掲示板が、「三文オペラ」とうい文字を映しだした後、「7500円オペラ」と表示されたり、なかなか遊びのある演出。舞台を縦に使っているので、普通の演劇のように、「舞台の奥の方で何か不穏な動きをしている人」なんていうのはいません。役者さんは、階段を上り下りしながら歌も台詞もこなしていくので、けっこう大変かも。2階の奥にはバンドがいて、芝居に組み込まれているような感じ。「音楽劇」「オペラ」と名前がついているけれど、けしてオペラやミュージカル的なものではありませんでした。

偶然、チケットを買った後に決まったポストトークが野村萬斎さんと白井晃さんで、このお二人の話がとても興味深いものでした。ラッキー!白井さんは、普通にしゃべっていた人が、気持ちが高まっていって歌を歌う、というパターンはやっぱりあり得ないだろうと思っていらっしゃるとのことで、台詞と音楽の部分を切り離して、でもそれが効果的になるように考えているという話をしていました。萬斎さんはこの芝居のテーマの一つである、「人は『悪』を手だてに生きる」について、人の社会にはやはり必要悪というものがあると思うとのこと。また白井さんもこの先、何千年たっても、世の中から悪はなくならない、人の中に悪はあると思うという話を最後にしていました。だから、そういう部分を舞台でどう見せるかっていう事が、演出家として面白いのかもしれません。

それにしても、歌として良かったのはROLLY、銀粉蝶だけ。この二人が歌いだすと場の雰囲気がぐっと猥雑な怪しさが増して、悪とか裏切りが心に巣くう人の哀しさが生き生きと迫ってくる感じでしたけど、篠原ともえは声がかすれていて、苦しそう。この間の「キャバレー」でも思ったけれど、歌を聞かせて、物語を分からせるってとても大変な事だと思う。萬斎さんが、テレビになんでもテロップが出る時代、電光掲示板に歌詞が出たら?とも思ったけれど、それでは耳で聞く、という事をしなくなるし、という質問に対して、白井さんはすべての歌詞が分からなくても良いと思ったと答えていらっしゃいましたが、多少、歌詞が分からなくても歌が上手ければそれもありなんだけれど・・・。歌がうまければ歌詞を越えて届くものが絶対にあるはずなので、その点では、少々モノ足りなかったなぁ。でも芝居の部分は面白かったし、最後の別バージョンのエンディングも面白かった。やっぱり白井晃演出は面白くて楽しい。

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