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2006/09/03

サイトウキネンオーケストラ「エリア」

昨日、松本まで行って聴いてきました。メンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」は、キリストが現れる前の紀元前9世紀、イスラエルの予言者エリアが、王の信じる邪教を追い払い、神への信仰を人々の心に蘇らせ、そして神の元へと昇天していくまでを描いています。今回は、オペラのように舞台を使っての演奏ということで、どんな風になるのか楽しみに行ってきました。演奏時間2時間40分、物語は苦悩、葛藤、救済、戦い、平和、祈り・・・人々の心と預言者エリアの精神とが、ある時は緊迫し、ある時は肩を寄せ合うように、展開していきます。緊張して濃密な音と声の重なりは、今の世界が置かれている緊張と不安への祈りのようでもありました。人は、この地球上にあらわれてからずっと、同じ愚かなことを繰り返しているのかもしれないなぁ・・・。
それにしても、この壮大な物語は、小澤征爾さんの指揮のもと、すべてがエリアの昇天へ向かって、強く太く流れていき、最後には、皆でエリアを天に見送ったような、脱力感さえ持つようなすごい演奏でした。小澤さんの音楽は、宇宙のキラキラしたものが、小澤さんを通してとめどなく溢れてくるような、美しく、濃厚で、そして清々しい・・・う~む、言葉には出来ないですね。
♪指揮:小澤征爾  演出:ジャン・カルマン
 バリトン:ジョゼ・ヴァン・ダム(エリア)
 ソプラノ:サリー・マシューズ
 アルト:ナタリー・シュトゥッツマン
 テノール:アンソニー・ディーン・グリフィー
 合唱:東京オペラシンガーズ
 演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
メンデルスゾーンは、ユダヤ人でしたが、キリスト教に改宗していて、どんな思いでこのオラトリオを作曲したのか、彼の心の内は分からないけれど、もっともっと長生きして、オペラを作曲してほしかった。38歳、なんて若くして旅立ってしまったんだろう。
サイトウキネンオーケストラの音は、去年までとは違って聞こえました。たぶん、オーボエの音色とティンパニーの音がいつもと違ったからかもしれません。プログラムでメンバーを見ると、もはや斎藤記念というよりも、世界選抜・・・と言ったら言い過ぎだけれど、ベルリンフィル、ウィーンフィル、リヨン、ケルン・・・いろいろなオケから様々な人が参加しているんですね。でも今年は、宮本さんもいないし、エバレット・ファースもいないし、カール・ライスターも入ってなかったし・・・。オケのメンバーも変わっていくんですね。そういえば、一番最初のサイトウメモリアルオーケストラには、チェロに堤剛さん、コンマスは安永徹さんだったけ。上野の文化会館で聴いて、鳥肌が立ったなぁ。あの時のライブのLPを持っていますが、最近CD「斉藤秀雄 メモリアル・コンサート」を手に入れました。

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